民主党政権
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もうすぐ民主党政権が誕生します。民主党はマニフェストで教育について触れています。それは教育現場に直接関わることです。それを分析してみました。

公立高校を実質無償化し、私立高校生の学費負担を軽減する
政策目的】
○家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生・大学生が安心して勉学に打ち込める社会をつくる。
【具体策】
○公立高校生のいる世帯に対し、授業料相当額を助成し、実質的に授業料を無料とする。
○私立高校生のいる世帯に対し、年額12 万円(低所得世帯は24 万円)の助成を行う。
○大学などの学生に、希望者全員が受けられる奨学金制度を創設する。


「公立高校を無償化」するというのはこれまでにない政策です。近年新聞等でも報道されていますが、授業料の未納は社会問題になりつつあります。道立高校でもその対応に苦慮していました。しかしこの無償化により一挙に解決されることになります。北欧では授業料は無料(ただし消費税が20%以上)ですので、日本も一歩近づくことになります。
「希望者全員が受けられる奨学金制度の導入」については疑問があります。10年以上も前から奨学金の返納率が著しく低下し、奨学金制度そのものの存在が危うくなってきているのです。そのような事実に配慮しないと、不平等を生じたり、制度そのものが破綻してしまう可能性があります。

全ての人に質の高い教育を提供する
【政策目的】
○学校の教育環境を整備し、教員の質と数を充実させる。
【具体策】
○全ての人にとって適切かつ最善な教育が保障されるよう学校教育環境を整備し、教育格差を是正する。
○教員の資質向上のため、教員免許制度を抜本的に見直す。教員の養成課程は6 年制(修士)とし、養成と研修の充実を図る。
○教員が子どもと向き合う時間を確保するため、教員を増員し、教育に集中できる環境をつくる。
○公立小中学校は、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する「学校理事会」が運営することにより、保護者と学校と地域の信頼関係を深める。
○現在の教育委員会制度を抜本的に見直し、教育行政全体を厳格に監視する「教育監査委員会」を設置する。
○生活相談、進路相談を行うスクールカウンセラーを全小中学校に配置する。
○国際社会の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな人材を輩出するためのコミュニケーション教育拠点を充実する。


「教育格差の是正」は難しい問題です。一般的に教育格差とは、最終学歴がその人の人生を左右することをいいます。「学校教育環境を整備する」とはどういことなのでしょうか。またそれを整備すると本当に教育格差はなくなるのでしょうか。永遠の課題のようにも思えます。
「教員の養成課程は6 年制(修士)」とあります。この改革により、私のような大学卒の人間は教員になれないことになります。ハードルが高くなるということです。
「教員の増員」はありがたいことです。先進国並みにして欲しいですね。
「公立小中学校を学校理事会が運営」というのもおもしろい発想です。すでに「コミュニティスクール」として進行しています。
「教育監査委員会」は教育委員会の権限を強めようという発想です。しっかり仕事をさせるとも受け取れる文面です。
「スクールカウンセラーを全小中学校に配置」は大胆です。ただし、スクールカウンセラーがいれば全てがうまくいくといものではありません。教育は人なりです。
「コミュニケーション教育拠点」とは何を示しているのかわかりませんが、きっと国際教育交流センターのような施設を各地域に置くということでしょう。

以上です。これは政権公約ですからすぐに実行してくるものと思われます。お願いしたいことは「教員を全力で支援し、夢のある学校をつくる」という姿勢で改革に着手していただきたいということです。それを強く求めます。
by manabinomori | 2009-08-31 20:53 | 雑感
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