森本めぐみ展「くものお」
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アーティストにとって最も大切なものは感性です。それは個性、あるいは創造力といってもいいかも知れません。いかに優れた技術を持っていたとしてもそれがなければ時代を創造する力にはなり得えません。森本めぐみさん(2008アクリルアワード最高賞受賞)にはそれがあります。

会場に入ると、そこが工事中であるかのように透明なシートで空間が仕切られ、その中に作品があります。ギャラリーのオーナーに伺うと、「ここで制作していましたので見られたくなかったのだと思います」とおっしゃっていましたが、私にはそうは思えませんでした。これは明らかに意図的です。これまでのインスタレーションであれば、壁面や空間を作品の一部として取り込むことがあります。しかし彼女は違います。ギャラリーそのものを額にしてしまったのです。

必要なまでにこだわる「目」、デフォルメされた「かたち」、心を揺さぶる「赤」…。道新の記事には、森本さんのコメントとして「生きている実感を伝えたくて、その実感を一番強く感じていた幼いころの自分をイメージして描いている」とありました。その感性は彼女の持つ魅力とともに表出しています。

見せることへの特別なこだわりが感じます。まるで“かくれんぼ”に参加しているかのようです。私たちはここで彼女を捜し出すことになるのです。それこそがこの個展の魅力にもなっています。これからの活躍が大いに期待されます。素晴らしい個展でした。
by manabinomori | 2010-01-12 20:48 | 美術展
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