就職指導の改善に関する研究
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本校は、平成21年度就職指導の改善に関する研究指定校でした。その報告書の発刊にあたって書いた文書を掲載します。

『発刊にあたって』 北海道松前高等学校長 石塚耕一

近年、高校生を取り巻く雇用情勢は厳しさを増しています。新規高卒者の労働市場は急速に縮小し、求人も大幅に減少しています。労働市場全体における新規高卒者の比率も低下し、卒業時に就職できない生徒がこれまでになく増加しています。若者が未来に夢を持てないというのは、日本にとって深刻な状況といえるでしょう。その原因は、経済・産業の構造的な転換にともなう、就業構造の変化、そして企業の採用や処遇の変化などによるものです。さらに、地元を志向する生徒の増加、働くことに対する意識が低く早期の離職など、高校の進路指導は難しい状況になっています。

こうした状況の中で、企業が求める資質能力も高まり、即戦力として活動できる人材を求めています。しかし、職業観が未成熟であったり、自分が就きたい職業を見つけられず、教師にまかせっきりの生徒も少なくない状況にあり、進路指導の難しさを痛感させられます。

さて、本校の就職指導の改善に関する研究は、就職指導の現状と課題を把握しながら、厳しい状況下における就職支援、就職に関わる指導の工夫などを研究してきました。そのことにより、校内の進路意識の高揚はもちろんのこと、地域の学校理解が深まり、就職率の改善にもつながりました。一方で、課題も明確になりました。これからの就職指導に求められることは、入学時からの計画的な進路学習や体験活動を通してのキャリア教育です。生徒一人一人の個性や適性に応じたきめ細かな指導により、生徒が自分の意志と責任で進路を選択できるようにすることが大切です。インターンシップや高大連携をより効果的に実施しながら、教育課程の改善や指導のあり方についても工夫していく必要があります。

本研修を推進するにあたり、ご協力いただいた各学校の進路担当の先生方に感謝申し上げますとともに、渡島教育局進路指導員の小野寺敏子様に深く感謝申し上げます。
by manabinomori | 2010-03-17 10:56 | 松前高
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