知内温泉
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昨日、函館から松前にもどる途中の知内で巨大なステージを発見しました。町角には「お帰りなさい 郷土の誇り北島三郎」というような垂れ幕がありました。どうやら北島軍団のステージがあるようです。私はそんなことには目もくれず、開湯約800年を誇るという道内最古の知内温泉に行ってみました。
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古文書「大野土佐日記」によれば、1247年に源頼家の家臣荒木大学が金山探索を行った際に発見した温泉とされています。以前からアイヌの人々が利用していたともいわれています。湯治場として整備されたのが1624年です。荒木大学は北海道に居住した初めての和人ともいわれています。寛文5年(1665年)には、松前藩の九代城主の奥方が「御入浴せり」との記録が残っているそうです。
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撮影の許可をいただき、カメラを浴槽に持ち込むと、一瞬でレンズが曇ってしまいました。お湯はぬるめでとろりとした感じです。火傷や胃腸病への効果があるとされ、湯治場として栄えたようです。現在でも湯治場として多くの人達が訪れています。私が入浴したのは岩湯(上の湯)で、他にも下の湯、露天風呂(混浴)、山の中には展望台の湯まであるといいます。
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泉質はナトリウム・塩化物・炭酸水素塩泉ということで、炭酸水素含有量が多いため大量の析出物が見られます。この堆積した含有成分が浴槽や床を覆っています。こんな浴場は初めてです。床はまるで前衛作家の作品のようになっています。歴史を感じます。
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左が女湯になっています。温泉マニアには喜んでいただけそうですが、そうでない人は下の湯を利用する方がいいと思います。上の湯の施設設備は古く快適とはいえません。下の湯と露天風呂に入るためには、服を着て移動しなければなりません。これは残念なことです。この湯の影響でしょうか、昨夜は久しぶりに熟睡することができました。
by manabinomori | 2010-08-15 10:13 | 松前の文化と自然
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