ジョン・レノンの死
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これは、1994年(平成6年)にサッポロファクトリーで開催した私の個展「石塚耕一/ビートルズ展」に出品した作品の一枚です。先日、松前に持ってきました。

今日はジョン・レノンの命日です。その日は、まったく眠れませんでした。ひたすらアルバム『ジョンの魂』を聞き続け、レコードに針を降ろす以外は、ただ呆然とジョンの声に耳を傾けていました。涙が枯れ果てた頃、朝になり、おもむろにラジカセを取り出し、自分のクラスで「今日はこの曲を聴いて欲しい」とスタートボタンを押しました。クラスの生徒は、私の雰囲気を察したのか、ただ静かにそれを聴いていました。

あれから30年になります。ジョン・レノンの曲には、そこに自分を投影させてしまうような不思議な力があります。それは人間が本来持っている本能を刺激するようなもので、彼の叫びや喜びがフィルターなしで心の中にまで入ってきてしまうのです。ジョンを殺害したのはマーク・チャップマンですが、その理由については、ジョンとアメリカ政府が対立していたため、FBIによってチャップマンをマインドコントロールして殺害させたという大学教授の説もあります。いまだにその理由は解明されていません。私はむしろ、ジョンの曲に誘発されたのではないかと考えます。その答えは、アルバム『ダブル・ファンタジー(Double Fantasy)』に収録されている「アイム・ルージング・ユー(I'm Losing You)」にあります。


John Lennon - I'm Losing You
ジョンはこのアルバムで5年ふりの復活をし、「スターティング・オーヴァー((Just Like)Starting Over) 」や「ウーマン(Woman)」という希望に満ちた名曲を発表しました。しかし一方で、内省的な「アイム・ルージング・ユー」を収録しています。この曲は再出発のアルバムに相応しくないほど内面に刺さってきます。特に、「♪And stop the bleeding now ♪Stop the bleeding now」の前後からは、最高のボーカルを聴かせるとともに、ジョンと自分が一体化してしまうよな錯覚まで呼び起こします。チャップマンはここに自分を見たのではないかと思うのです。彼にとって殺害したのはジョン・レノンではなく自分自身だったはずなのです。ジョンの死後、後追い自殺が連続したため、ヨーコが「自分を大切にして!」との声明を出しましたが、それもまたジョンの曲には特別な力があることを物語っています。チャップマンはそこに自分を重ねてしまったのではないかと推測します。


John Lennon - In My Life
「♪死んでしまった人もいれば、生きている人もいる。僕の人生において、僕は彼らをみんな愛している。」ジョンの心はこうだったはずです。これこそがジョンの全てなのです。彼が亡くなった今、この曲の輝きがより増しているように思います。
by manabinomori | 2010-12-08 21:41 | ビートルズ あれこれ | Comments(4)
Commented by Hiro at 2010-12-09 00:10 x
今日は,ジョンが死んで30年目の日ですね。僕は小学校1年生でしたから,当然この日のことは知りませんでした。

In my lifeの歌詞は,胸に迫る物がありますね。ジョンがこれを歌った時は,こうなるなんて思いもしなかったのに…。
Commented by manabinomori at 2010-12-09 08:37
そうですね。彼ほど劇的な人生を歩んだ人はいないと思います。
だからこそ、そのメッセージには特別な強さがあるのかも知れません。
Commented by 匿名 at 2010-12-09 20:10 x
この時代って、マービン・ゲイが殺されたり、ボブマーリーが死んだりして、一時代を築いた若いミュージシャンが立て続けに亡くなってますよね。私もこどもだったので、当時のことは分かりませんが。大きな時代の転換期だったことは間違えないと思います。
Commented by manabinomori at 2010-12-09 22:39
確かにそうでしたね。
マービン・ゲイは良かったですね。
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