デザインが商品の価値を決める
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これまでのノートパソコンで最も美しいデザインと言えばVAIOシリーズだったように思います。特にVAIO505の登場は、それまでのノートパソコンのイメージを覆しました。その後も数々の斬新なデザインを出し続け、日本のパソコン業界に刺激を与えてきました。もちろんコアな人たちは、NECや富士通を支持すると思いますが、そのコンセプトは東芝と並び一つの時代を築きました。しかし最近のApple製品と比較すると、日本製品にはまったく魅力を感じません。どうしてもっと美しいものにこだわろうとしないのでしょうか。MacBook Airをライバルとして、それ以上のものをつくろうとする意識を持つべきだと思うのです。これからの時代はデザインが商品の価値を決めます。低価格競争で勝とうとする発想は、ブラックホールの中でもがいているようなものです。

いま最も美しいノートパソコンはMacBook Airです。11インチモデルは他の追従を許しません。例えば1枚のアルミ版から切り出すデザインという発想は、美しさばかりか、質感を高め、剛性をも高めています。シンプルさは美しさを作り出す大きな要素となり、それを邪魔するロゴやシールまでをも排除する徹底ぶりです。ウォークマンがそうであったように、薄さへの挑戦はデザインをシンプルにし、極限の造形美をつくり出します。MacBook Airはまさにそれを実現させました。これはまた、MacBook Airが最先端の技術でつくられているという象徴にもなります。MacBookの白はあまり好きではありませんでしたが、 Airのアルミ版は黒いキーボードと美しいコントラストを生み出しています。しかもここにCore 2 DuoプロセッサとNVIDIA GeForceグラフィックスを入れてしまうのです。こういう発想力がAppleの凄さなのです。日本企業だってできないことはないはずなのに、明らかに創造力が欠如しています。Appleが元気なのはそこに夢があるからです。それは企業の夢というより、消費者が求める夢であり、それを見事に実現させていることです。以前、MacBook Air内部の美しさを書きましたが、見えないところにまでこだわる姿勢もまた素晴らしい。
by manabinomori | 2011-02-13 18:53 | Apple
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