ツーリスト
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金曜日には『ツーリスト』の上映が終了してしまいますので、今夜は無理をしてワーナー・マイカル・シネマズ釧路へ行きました。劇場までは車で10分もかかりません。ありがたいことにレイトショーは1200円です。観客はカップル4組と私の9名しかいませんでした。

さて、『ツーリスト』の監督は、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクです。彼はドイツにあるベルギー近くのケルンという町の出身で、成績が極めて優秀だったようです。ロシア語教師を短期間したかと思うと、その後はオックスフォード大学で哲学、政治学、経済学を学び、ミュンヘン映画映像大学に入学しています。 2000年からは長編映画『善き人のためのソナタ』の製作にとりかかり、アカデミー外国語映画賞を受賞しています。33歳にしてオスカーを手にしたのです。この作品は、ソニーが配給する米国映画で、2011年3月5日に公開されています。

物語は、イタリアを訪れた“ツーリスト”のアメリカ人フランク(ジョニー・デップ)が、ベニスに向かう車中で上流階級の美女エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)に声をかけられるところから始まります。リヨン駅が画面に出ると、思わず昨年のフランス訪問のことを思い出してしまいました。主な舞台の撮影はヴェネチアで行われたようです。「ヴェネチアは世界一、芸術と美にあふれた街だ」と監督のドナースマルクが言っているように、この映画の魅力の半分はヴェネチアの映像にありました。その美しさを巧妙に表現しています。映画そのものは、リアリティや抑揚に欠けている場面もありますが、それらを吹き飛ばす要素が最後の10分間にありました。見終えると爽快な気持ちになります。「目の前にいる人が誰なのか?」という疑問は、私たちの日常生活の中にも潜んでいるような気がします。映画としては75点ぐらいでしようか。字幕は戸田奈津子さんです。ご活躍されていますね。
by manabinomori | 2011-04-19 23:41 | 映画
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