明輝高校の課題
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着任してから最大の課題であった全国総合学科教育研究大会についての方向性が見えてきましたので、次は本校の課題に着手しなければなりません。釧路明輝高校はとてもいい高校です。しかし総合学科として考えた場合、検討しなければならないことが何点かあります。①総合学科の特色である系列(人文科学系列、自然科学系列、国際理解系列、地域経済振興系列、情報メディア系列、健康・福祉系列)が必ずしも生かされていないということです。生徒の中には自分の系列が何であるのかを自覚していない生徒さえいます。総合学科とは「系列を目安にしながら希望進路と卒業要件の両方を満たす科目選択を行う」ことが柱であることを忘れてはなりません。次に、②系列が曖昧であるが故に、系統的で深みのある教育がしずらいことです。例えば、都市型総合学科の代表格でもある晴海高校は、「自然科学系列」についていえば、2年次に「物理I・化学I・生物I・数学II・現代文b」から選択し、3年次では「物理II・化学II・生物II・数学I演習・数学II演習・数学III」から選択します。つまり学年が上がることに、専門的で系統性が深まる内容になっています。「語学コミュニケーション系列」であれば。2年次に「映画英語・ドラマ演習・スペイン語初級・英文法・リーディング I・ライティングI・英語表現I・現代文」から選択し、3年次では「英語表現II・英語理解・リーディングII・ライ ティングII・時事英語・国際関係・現代文演習」から選択するようになっています。もちろん系列にとらわれない「自由選択科目」も2・3年次に設置され、そこから10単位選択することが可能です。本校の場合はこのあたりのビジョンが曖昧なのです。最後に、③総合学科の特色である学校設定科目がほとんど民間人講師によって行われているため、普通科指向の意識が強くなってしまうということです。せっかくこれだけの施設設備と民間人講師を有しながら、それらが内にも外にもアピール仕切れていないのです。釧路の中学生や地域のみなさんが、明輝高校がどのような高校であるかをつかみきれない原因がここにあります。もちろん、明輝高校は人気校でいい教育実践をしています。それは大いに自慢できます。しかしそのことに甘んじていてはなりません。より魅力的で地域に愛される高校にしていくためには、これらの課題を解決していくことが求められます。
by manabinomori | 2011-06-02 21:27 | 明輝高 学校経営
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