毛綱毅曠 幣舞中学校2
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幣舞中学校について、建築評論家の植田実が次のように書いています。
「唖然とするような単純さ。稚気と巧妙。少年がつくったともいえるこの建築には、宇宙模型への収斂をも超えて、途方もない未知の土地への理想化が現前している。それは、彼の愛する釧路をも超えた、幻の釧路とでもいうべき桃源郷のヴィジョンにちがいない。土地も人間も、それを現在を生きていると同時に太古からの記憶を引継ぎ、また未来へと記憶を送る存在である。」
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この宇宙的な広がりが、生徒玄関であることを忘れさせます。開放的で空へと広がる中庭に対して、この生徒玄関は、まるで母親の胎内にもどったかのような緊張感を与えます。しかし円形に広がる空間により、次の世界をより強調するための通路にもなっているのです。
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そこからこの校舎の中心であるホールへと導き出されます。それは、学校というより、毛綱毅曠が求めていた宇宙へとつながる神聖な場所にも感じられます。生徒はこの中心部を通ることにより、自分の存在を再認識させられるのです。
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下に生徒玄関があります。この木製の柵にもまた特別なこだわりを感じます。ここを歩いていると、音楽が聞こえてくるような錯覚を覚えます。リズミカルなデザインが視覚的な効果を持っているのです。しかもそれを木にしたところが奥深い。
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ホールは吹き抜けになっています。ステンドグラスを突き抜けた光が、刻々と変化し、時計の針のように回転していきます。毛綱毅曠が子ども達に求めていたものが感じられます。
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天井部分は昨日紹介させていただきました。3階建ての校舎でありますが、意図的に4階部分をつくり出し、より空間を強調しています。美しいというより、まるで教会のような神聖さを感じます。
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このように光りが降りてきます。絵画を見ているかのようです。
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アリーナから撮影しました。ここを使って集会やミニコンサートを開催することも可能です。音響的にも興味深いつくりになっています。このホールだけを見ていると、ここが校舎であることを忘れてしまいます。ここには、毛綱建築の建築が持つ魅力が妥協することなくつまっています。ショーケースや黒板がなかったらもっと良かったのにと思えてしまうぐらいです。
by manabinomori | 2011-08-03 23:08 | 釧路のと文化と自然
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