ビデオアーティスト
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私の曲がNHK北見放送局のFM番組「夕べのひととき」で放送されたことは以前書きましたが、その『ビデオアーティスト』は、絵画史上の傑作と呼ばれるヴァティカン宮殿に描かれたミケランジェロの『最後の審判』をテーマにしています。実際にその絵を観ないでえらそうな歌詞をよく書いたものだと思ってしまいます。きっと私なりの傑作を目指していたのかも知れませんが、自分が何者であるかも忘れてナルシストの世界に酔っていただけのような気がします。音楽や美術の創作は自分が求める美を生み出す作業でもありますが、それはもう1人の自分を生み出す作業でもあります。そこにはしっかりしたベースが必要になるのです。つまり自分の生き方がしっかりしていなくては求める美もまた中途半端なものになってしまうということです。

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今回、ヴァティカン宮殿で本物の作品に触れることができます。これを機会に20代の時に作った『ビデオアーティスト』も見直してみたいと思います。システィーナ礼拝堂の祭壇に描かれたフレスコ画は1541年に完成しています。ここには400名以上の人物が描かれていて、中央にはイエス・キリスト、向かって左側には天国へと昇天していく人々、右側には地獄へと堕ちていく人々が描かれています。ミケランジェロはこれを描くのに、ダンテの『神曲』を参考にしたというのが興味深い。
by manabinomori | 2013-08-16 15:52 | ローマ
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