イギリスの美術家ラッセル・ミルズは、「日本の近代建築や伝統工芸にミニマルアートとの類似を感じる」と述べている。彼の作品スタイルは、層を重ねていくこと、つまりレイヤーリングであり、それは物理的なことだけではなく、内面的にも意味を重ねていくことを意味している。写真下の作品には、『Little Forevers』というタイトルがつけられ、風景と人間界の出来事の両方において、大きな社会的概念を象徴するような繊細で目立たない事象に対する興味と関心を表している。ミクストメディアはキャンバスよりもはるかに開放的だ。ミルズの言う「人のつくったものより自然の方が勝っている。自然のプロセスから学びとろうと思っています。」という考えに共感してしまう。
(参考文献 :「デザインの現場」1992年2月号)