伊勢神宮へ行くのであれば、伊勢市駅(旧山田駅)を使うというのが一般的かも知れません。なぜならこの駅はJR東海と近鉄の両方の駅であり、利用しやすく伊勢の参りの玄関口になっているからです。しかし私が利用したのは近鉄の宇治山田駅でした。
この駅には貴賓室があり、皇室や総理の伊勢神宮参拝の乗降駅になっています。そして建築家 久野節(くの・みさお)の近代建築(国の登録有形文化財に登録)でもあるのです。以上のことから、伊勢神宮の入り口はどうしてもここにしたかったのです。
外壁はクリーム色のテラコッタタイルで、細部にまで装飾がほどこされた手の込んだ作りとなっています。縦長の窓や八角形の窓のデザインなども印象的です。それだけに、コンコース内に設置された広告が邪魔で、はずしたくなるのは私だけでしょうか。
日本的な要素を残しながら、広い空間に柱、窓、照明などによって大胆なアクセントを加えるとともに、伊勢神宮を意識したと思われる白色の天井や壁がとても美しい。このコンコースは必見といってもいいでしょう。