美術出版社と美術手帳
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美術出版社と美術出版ネットワークスの2社が、3月4日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請したとの報道がありました。美術出版社と言えば「美術手帳」「みづゑ」「デザインの現場」などを発行し、私の人生もそれらの雑誌とともにありました。高価な画集や評論も買わせていただきました。常に時代の先を走り、それでいて本質を押さえた優れた出版社でした。「美術手帳」について言えば、書店に置かれる数がめっきり少なくなりました。年間購読を止めてからは、昨年の「アンディ・ウォーホル」や「フランシス・ベーコン」のような特集は買いましたが、最近の「BL(ボーイズラブ)特集」を見たときには呆れるしかありませんでした。これでは現代の「薔薇族」ではありませんか。「芸術新潮」のようなポリーシーも感じられず、いまだに難解な解説があったりして読者目線にはなっていない。しかも雑誌の大きさは時代に取り残されたままだし、もしそこにこだわり続けるのであればフォントの大きさやレイアウトを含めて大胆な変革を行うべきでした。老眼の人にしてみれば、この雑誌を読むことは苦痛にさえ感じられることでしょう。本質にメスを入れずにただ表面を装っても誰もついてこないのです。厳しいことを書きましたが、私には「IMAマガジン」のほうが「美術手帳」らしく思えてなりません。なんとも残念なことです。出版不況ではありますが、美術出版社や「美術手帳」が果たしてきた役割には大きなものがあります。日本の文化にとってこれからも必要とされる存在です。なんとしても再建してくれることを願っています。
by manabinomori | 2015-03-07 12:03 | 石塚耕一研究室 | Comments(0)
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