GOOD DESIGN 2015 第1回「TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD」
石塚耕一が勝手に選定する「GOOD DESIGN 2015」をスタートさせます。これは、①デザインが美しい。②製品としての魅力がある。③オリジナリティがある。という三つの視点から独断で選ばせていただくものです。第1回は今年発表されたカメラ及びレンズの中で最も印象に残った「TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD」を取り上げさせていただきました。
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タムロンと言えば、私にとっては“ズームレンズ”のイメージがあります。フィルムカメラの時代にはボロボロになるまで使わせてもらったことは忘れられない思い出です。また、ソニーのビデオカメラにレンズを供給していたこともあり、ビデオカメラのレンズ=タムロンというイメージがありました。いまでもタムロンはニコンやソニーへレンズを供給しています。さらに、これは私の勝手な思いですが、タムロンのズームレンズはレンズ性能を優先さるために、無理な仕様にはしないというイメージがありました。そのタムロンが、単焦点レンズに本格的にチャレンジしたのがこの新「 SP」シリーズです。ライバルのシグマがキャノン、ニコン、ソニーマウントの大口径単焦点レンズ(Artライン)で成功したのも刺激になったのかも知れません。さて、そのタムロンがこだわったのはデザインと性能です。その美しさには惚れ惚れするぐらいで、レンズ筐体には「DESIGNED IN JAPAN」とまでプリントされています。こんなレンズ初はめてのことではないかと思います。ルミナスゴールドのブランドリングはそのシンボルになっていてこれがまた美しい。新「 SP」シリーズの象徴でもあります。デザインの基本は「ヒューマンタッチ」で、使う人が気持ちよく、そして誇りを持てるようなデザインになっています。金属ボディでありながら、柔らかく、触れてみたくなるような質感になっています。その造形美はレンズにしておくのがもったいないと感じるほどです。デザインに関わったのが“takram design engineering”です。彼らのホームページには、「デザインとエンジニアリングの両分野に精通するデザインエンジニアを中核に、その周辺に建築家・グラフィックデザイナー・サービスデザイナーといった多様なプロフェッショナルが集うクリエイティブ・イノベーション・ファームです。現在、東京とロンドンをベースに、40名ほどのメンバーがさまざまなプロジェクトに取り組んでいます」とあります。このチーム(代表は田川欣哉氏)とタムロンがこれを生み出したのです。
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新「SP」シリーズには、35mmと45mmがありますが、私が選んだのは35mmの方です。その魅力は3点あります。先ず最短撮影距離が20mmということで、このクラスでは最高の数値です。被写体に近寄れるというのは撮影の幅を広げ、これまでにない表現が可能になります。ここにタムロンのこだわりを感じます。次にその解像力とボケの美しさで、サンプル写真にはハッとさせられました。店頭ではそこまでチッェクできないのですが、開放F値をF/1.8に設定したあたりにも画質へのこだわりを感じます。「今後はSPの称号を高性能レンズとして確たるものにしたい」「開放から使える高い描写性能にしたい」というタムロンの意欲が伝わります。最後はレンズの大きさや手ブレ補正機構を含めたトータルバランスの良さです。「こんなレンズが欲しい」という私たちの夢を見事に実現させているのです。
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というわけで、レンズデザインに革命をもたらした TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD を GOOD DESIGN 2015 に選定させていただきました。描写性能、フォーカスの正確さ、静音性、手ブレ補正効果を高めた「美しいレンズ」に、みなさん方も触れていただければ幸いです。最後になりますが、掲載の画像はタムロンのホームページからのもので承諾をいただいています。
by manabinomori | 2015-12-16 21:50 | GOOG DESIGN 2015
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