自然や美を求める意識
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ベズベックにある東海大学ヨーロッパ学術センターの近くに小さな湖があると田中所長に教えていただいたので行ってみました。日本であれば公園になっていてもおかしくないような自然豊かな美しいところなのですが、これがプライベートな空間になっていて一般の人が立ち入ることができないようになっています。それは持ち主の庭のようなものであり、ある開けた場所からやっと眺めることができるという感じでした。ホームステイさせていただいた住宅もそうでしたが、デンマークではその敷地が日本の数倍もあるというのが一般的です。公道から住宅までは十分な距離がとられ、そこには美しい庭が配置されています。隣の住宅との距離も十分なほどあり、日本のように隣接して住宅が建ち並ぶと言うことはありません。そのゴージャスな空間が羨ましくも思えます。ベズベック近郊は高級住宅が建ち並ぶ地域のようですが、とりわけ海岸線に敷地を持つ住宅は特別です。海そのものがプライベートビーチになっていて、その美しい景観を独占できることはもちろんのこと、モーターボートや海水浴を楽しんでいます。海岸線までもが個々の庭のように扱われているのです。日本の場合には、高級住宅の一つの基準として都会の一等地に住むことがステータスになっていたり、利便性が優先されたりしますが、デンマークでは(というより欧米では)美しい自然環境を手に入れることこそが最大の贅沢なのです。また、都市へのアクセスを車で快適に行えるように、道路環境が整備されていて、最高速度を日本より高めに設定されていたり、交差点をスムーズに走れるロータリーにしたり、通行をストップさせる信号機は最小限にしたりしています。贅沢の基準は国によって異なりますが、自然や美を求める意識は間違いなく日本よりも高いということを感じました。
by manabinomori | 2016-09-19 08:21 | 北欧デザインプログラム
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