デザインの解剖展: 身近なものから世界を見る方法
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報告が遅くなりましたが、21_21 DESIGN SIGHT で開催されている「デザインの解剖展: 身近なものから世界を見る方法」を紹介します。
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旧防衛庁跡地に誕生した東京ミッドタウンのガーデンは、芝生、遊歩道、小川があってここが六本木にあることを忘れさせてくれます。
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「えー!並んでるぅ…。」21_21 には何度も来ていますが、こんな列をなしているのは初めてのことです。しかもその多くが大学生です。これには驚かされました。デザインの解剖とは、①身近なモノを ②デザインの視点で ③外側から内側に向かって ④細かく分析することで ⑤ものを通して世界を見る ⑥プロジェクトです。と入り口に掲示されています。展覧会ディレクターはグラフィックデザイナーの佐藤卓さんです。「明治おいしい牛乳」のパッケージデザインは有名ですが、『デザインの解剖学』シリーズの著書があります。
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会場に入ると巨大な「きのこの山」が出迎えてくれます。本展では、製品を取り巻く世界はもちろん、社会、暮らしとデザインの関係について、さらにはデザインの役割や可能性について、改めて深く考察する機会を目指しているとのことです。
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明治の製品「ブルガリアヨーグルト」「ミルクチョコレート」「スーパーカップ」「おいしい牛乳」を中心に、キャッチコピーや外装のグラフィックの色まで解剖していきます。
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あらためて包装の構成や容器の形を見てみると、そのねらいが明確に感じられます。
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原料や製法、製品管理から流通に至る幅広い要素を掘り下げることによって、知らない多くのことに気づくきっかけをもたらしてくれます。
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「デザインの解剖」とは、素材や味覚、パッケージなど、製品が手に届くまでのあらゆる段階で多様な工夫が凝らされています。それらをつぶさに読み解いていくこととのことです。
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佐藤さんによると、牛乳は世界中で飲まれている人にとって無くてはならない栄養源の一つである。言うまでもなく生乳は牛から毎日しぼり出されるもので人工的に作ることができない。牛だって個性があるわけであるし環境の変化も加わって、どの牛も同じ乳を常に出すわけではない。大量に供給するということは、それに相反して安定供給を常に求められる。牛という「動物」から人間がいただく牛乳が、この難しい環境の中でどのように管理され手元に届くのかということを示しているとのことです。
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ディスプレイも工夫があります。このアイディアは楽しい。
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というわけで、身近なものから世界を見る方法を鑑賞させていただきました。普段何気なく目にしている身の回りの商品を取り上げ、デザインの視点で着目し、どのような工夫がされているのかを分解してさぐることはデザインの新たな可能性をも示しているように感じました。学生によるデザインの解剖プロジェクトも楽しく鑑賞させていただきました。
by manabinomori | 2016-11-10 10:39 | 展覧会レポート 東京
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