日本の教育に求められるもの
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前期の終了が迫って来ました。追考査、作品の〆切、成績処理、学生美術全道展の制作などで、いま学校は大変な状態です。それでなくても本校職員は夜遅くまで仕事をしていますので、健康状態が心配になります。私は美術工芸教育実践研究発表会の発表資料が進まず苦しい毎日です。考えることや創作することは、本来楽しいもののはずですが、追い込まれると地獄です。単純に文章を打ち直すなどの作業がいかに楽なことであるかを実感します。今日は午後から名寄市内の中学校を訪問し生徒募集活動をしてきました。以前本村に勤務されていたという中学校の校長先生は、学校案内にある本校の様子に驚かれていました。

さて、高度な技術を持った日本らしい製品が久々に登場しました。それが上の写真にあるローランドの「SonicCell」です。欲しくてたまりません。このような創造力に満ちた製品が日本人によってつくり出されたことを誇りに思います。夢のような製品です。

日本が世界に誇ったシンセサイザー、MIDI音源、エフェクター、サンプラーなどの音楽機材は、パソコンの登場によって、アメリカ、ドイツ、イギリスなどのソフトウエアにとってかわられつつあります。ヤマハ製品に付属していた同社のDAWソフト「XGworks」でさえ、ドイツの「Cubase」になってしまいました。オリジナリティと創造力に優れる欧米のコンピュータ・ソフトに対して、日本は打つ手もなく後退を続けています。私たちが使っているワープロにしても国産の「一太郎」のシェアは低下し、いまやアメリカの「ワード」が主流になっています。他の分野も同様です。パソコンの登場は欧米の技術力を高め、相対的に日本の技術力を低下させたのです。それまで世界のトップを走っていた日本の高度な技術製品は、欧米のコンピュータ・ソフトにとってかわられつつあるのです。残念ながら、日本人は創造力やオリジナリティの分野で遅れをとっています。そのため、この10年間で差をつけらてしまったのです。その原因の一つは創造力を軽視した教育にもあると思います。

これからの日本にとって必要なのは、アメリカ、ドイツ、イギリスなどに負けない創造力とオリジナリティを持った人材の育成です。そもそもOECDの学力調査でトップになれなかったからといって大騒ぎすることはないのです。アメリカでは芸術教育で養う創造力が科学技術の発展につながると考え始めています。これからの日本の教育に求められることは、創造力があり、豊かな心を持ち、意欲的に活動できる人材の育成だと思うのです。それがなされれば、結果として学力も向上するはずです。日本は素晴らしい文化と技術力を持った国です。「失われた10年」から早く脱却するためにも、いまこそ将来の日本のあり方や教育のあり方を真剣に考える時期にきていると思います。
(画像はローランドのホームページより)
by manabinomori | 2007-09-27 23:47 | おと高&音威子府村
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