「学びの森」第28号(平成20年2月20日)
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「学びの森」第28号です。今年度の学校経営評価特集号です。
甘い部分もあるかも知れませんが、この1年はこれまでの教育経験の中でもっとも充実した1年になりました。皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

PDFファイルにてご覧になれます → 学びの森(第28号)

平成19年度学校経営評価

 4月に「夢を語れる学校づくり」の2年目として、平成19年度学校経営方針を提示させていただきました。今年度は、全ての教職員が一人ひとりの生徒を大切にし、描く、つくる、対話することによって「創造力を育成し人間力を高める」ことを目標にしました。評価は裏面のとおりです。不十分なところはありますが、ほぼ達成できたのではないかと思っています。

 本校は今年度から2年間「国立教育政策研究所教育課程研究指定校」として、日本の高等学校を代表して美術教育の研究を推進しています。このことは、私たちの教育力を高め、大きな自信を生み出すことにつながりました。教育課程の編成、授業改善、シラバス作成など、様々な波及効果があり、本校が全国的に注目される要因になりました。

 「美術工芸教育実践研究発表会」は、本校の美術工芸教育を全国にアピールするとともに、教育力を高めることを目標に開催しました。高校が独自に全国規模の研究会を開催することはほとんど例がありません。不安はありましたが、本校教職員の熱意によって大きな成果を上げて終了することができました。本校の歴史においても意味のある研究会になったと思います。文部科学省の村上調査官、北海道東海大学の織田教授、北海道教育大学の八重樫教授、そして千見寺村長をはじめとする皆様方のご支援ご協力があって実現できたことでもあります。
 北海道で一番小さな村の高校から、美術工芸教育の大切さを訴える実践は、日本の教育においても貴重な取り組みになったと思います。

 北海道東海大学との「高大連携事業」は、本校の教育を活性化させました。学長室で行う調印式より全校生徒を前にして行う調印式の方がはるかに効果的であると考え、西村学長にはご無理を言って札幌から来ていただきました。生徒にとって印象に残る調印式を実施することができたことは幸せでした。マスコミも大きく取り上げてくれました。
 高大連携事業は、生徒の学習意識を高め、質の高い美術工芸作品の制作につながりました。もちろん私たちの資質能力の向上や関係機関との連携など様々な波及効果を生み出しています。今年度行った本校の大きな事業のほとんどに北海道東海大学が関与していることがそのことを証明しています。デザインスクール、研究指定校に係る連携授業、卒業制作指導など、内容が充実していただけに大学側にとっては大きな負担になっていたはずです。しかし本校生のために熱心に指導して下さり、感謝というほかありません。
 また、北海道教育大学岩見沢校とも「銀河鉄道づくり」で連携しました。高校生と大学生による共同の造形活動は、刺激的で大変有意義なものでした。教育雑誌『美術の教室』にも紹介されています。

 スウェーデン・レクサンド高校との「国際交流」は高大連携教育と並ぶもう一つの柱としてスタートさせましたが、生徒は異文化を知るとともに多くのことを学ぶ機会になりました。国際理解教育は大きな可能性を秘めています。次年度はさらなる展開を図ります。

 生徒指導は大きなトラブルもなく、落ち着いた1年だったように思います。「豊かな心を育成する」という本校の教育が定着した成果だと思います。しかし心に悩みを抱える生徒はたくさんいます。その生徒のケアについてはまだ改善の余地があります。
 進路指導は3年連続国立大学への合格者を出しました。インターンシップも初めて実施しました。
 生徒作品の公開、地域と一体となった教育活動、学校情報の発信なども成果がありました。部活動では美術部が大躍進し、学生美術全道展、高文連、道展U21と、本校の存在を全道に示してくれました。工芸部は暮らしの中の木の椅子展へ出品しました。
 生徒募集については、次年度は40名を確保できそうな勢いです。過去5年間では最多になりそうです。特に近隣の市町村と道外からの希望者が増加傾向にあります。地道な努力の成果が出ています。

 まだ課題はありますが、主役である生徒が頑張り、実り多い1年になったと思います。保護者と村民の皆様には、いつもご支援ご協力をいただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

<A:達成できた B:ほぼ達成できた C:達成できなかった  ( )は昨年度の評価>

夢を語れる学校づくり A(A)
○生徒の可能性を見つけ個性を伸ばす教育を推進することができた。
○生徒とともに学び感動できる教育を推進することができた。
◎高大連携事業調印式を実施し各種事業を推進することができた。
◎スウェーデンとの国際交流事業をスタートすることができた。
◎学校評価を実施し学校改善に活用することができた。
▲村の文化センターとしての機能の充実を図りたい。

魅力ある教育課程の編成と実施 A(B)
◎新教育課程を編成することができた。
○創造力を育成し豊かな心を育成する教育を推進することができた。
○工芸科として特色ある教育を推進することができた。
○コース制により個に応じた教育を推進することができた。
▲学校行事の時期や内容の見直しなどを図りたい。

個性を伸ばす学習指導 A(A)
◎質の高い表現学習をとおして創造力を育成することができた。
○一人一人の個性に応じた学習指導を実践することができた。
○補習やデッサン講習等により基礎学力の定着を図ることができた。
○全教科のシラバスが完成し学習指導に活用することができた。
▲授業評価を実施し授業の工夫と改善を図りたい。

心に響く生徒指導 A(A)
○挨拶などの基本的な生活習慣を身につけさせることができた。
◎生徒会や寮生会の活動により思いやりの心を育成することができた。
○寮との密接な連携により問題行動等の未然防止を図ることができた。
▲一人一人の悩みに応じた教育相談の充実を図りたい。

自己実現に向けた進路指導 B(A)
◎3年連続国立大学への合格者を出すことができた。
○インターンシップ等のキャリア教育を前進させることができた。
▲早期からの進路指導と受験指導についての工夫・改善を図りたい。

学校情報の積極的な発信 B(B)
◎ブログとホームページの充実により学校情報を提供することができた。
○学校だよりと校長室だよりを村へ配布し学校理解を図ることができた。
▲全員でつくる魅力的なホームページへの進化を図りたい。

生徒作品の公開 A(A)
○村の美術館として本校で生徒作品を公開することができた。
◎木の手づくり展を札幌と旭川で開催し高い評価を得ることができた。
○学校祭や村の文化祭に生徒作品を展示することができた。
◎銀河鉄道の公開により地域の教育・文化活動に貢献することができた。

地域と一体となった教育活動 A(A)
◎村民運動会、村の文化祭、植樹祭などに参加し、村民との交流を図るとともに豊かな心を育成することができた。
○北海道大学との連携による森林探訪を実施することができた。
○村民や小中学生への木工体験学習を実施することができた。
○エコミュージアムでのボランティア活動を実施することができた。
○工芸科教員の作品展を村内で開催することができた。

教師力を高める研修 A(C)
◎全国に発信する美術工芸教育実践研究発表会を開催することができた。
◎国立教育政策研究所教育課程研究指定校として、美術教育の研究を推進することができた。
◎高大連携により大学教員との質の高い研修を推進することができた。

生徒募集 A(B)
◎学校案内やホームページを改善し内容の充実を図ることができた。
○高大連携事業や部活動等をマスコミが積極的に紹介してくれた。
▲進路実績の強化により生徒募集の活性化を図りたい。
by manabinomori | 2008-02-21 11:01 | おと高 学校経営
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