卒業制作作品/杉本大幸
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『ダークマンガード』(油彩 F100号 キャンバス)
<作者コメント>
人は、生きていれば必ず大切なものをなくしてしまうものだ。私は前に二度と戻ってこないものをなくしてしまった。もうないんだが、私のこの右手には、まだその感覚だけは残っている。私はなくしたものを、カラスになったと思っている。カラスは、捕まえようとしても、99%人の手では無理だ。”もうない”けど感覚だけはまだある。その感覚だけは、守ってみせるっていうキモチからこの作品を制作した。
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『パートナー』(材名/セン、塗装、ラッカー塗装)
<作者コメント>
私は、絵を死ぬまで描くだろう。その時に常に、隣にあるのはこのキャビネットだろう。一生芸術、一生発見の旅のパートナーになる。と、思っている。
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『四季花鳥図(右隻部分)伝雪舟等楊筆』(日本画/模写) 

絵を描くことは自分をつくることであり、自分を確認することでもあります。杉本君にとっては、絵画は特別な意味を持っているに違いありません。油彩『ダークマンガード』からそのことを強く感じとることができます。この作品には様々な要素がつめこまれ、作者にとっての大切な時間が封印されているように思います。そして強烈な個性を持つ形と色彩が作品の存在感を高めます。絵画の意味を問いかける作品です。一方で『四季花鳥図』は模写ですが、ここからも作者の思いが感じられます。
by manabinomori | 2008-03-29 10:05 | おと高 美術展&作品
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