カテゴリ:解説 アンディ・ウォーホル( 7 )
退屈なものが好きなんだ
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美術展に行くと図録を買うのが習慣になっていました。しかしそれは大きくて重い。今回の「アンディ・ウォーホル展」は、“Casa BRUTUS”の特別号で済ませることにしました。「完全保存版」とうたっているだけあって、本展の作品をある程度網羅していますし、何よりきゃりーぱみゅぱみゅの表紙が楽しい。
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アンディ・ウォーホルで印象に残っているものの一つに、TDKビデオテープのCM(1983年)があります。ブラウン菅を片手に「アカ、アオ、グンジョウイロ…。」と日本語で話す姿を見てぶったまげたことを思い出します。ウォーホルはCMをアートにしようとしたのでしょうか。その彼の名言で興味深いのは、「自分について何が書かれているかなんてどうでもいい。大事なのは、どのくらいのスペースが割かれているかだ。」です。
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森村泰昌×佐藤可士和「ウォーホル作品はアートかデザインか?」という対談がおもしろい。「印刷という大量生産でアートを表現することがカッコいいと思っていて、その極みがウォーホルだった。」「ウォーホルは決して自分から作品について語らなかったけど、観客を誘導する術を心得ている。まさにアートディレクター的な才能を持っていて、それを“お芸術”の世界で発揮した。」

ウォーホルほど時代の先端部分に敏感だったアーティストはいなかったように思います。それは、振り出しが商業デザイナーであったことも影響しているのかも知れません。「退屈なものが好きなんだ。」というのもまた彼の名言ではありますが、まさにその裏返しこそがウォーホルのスタイルではなかったかと思います。
by manabinomori | 2014-03-20 09:34 | アンディ・ウォーホル | Comments(0)
そのまま伝わってきます
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“ト・オン・カフェ(to ov cafe)”にアンディ・ウォーホルの写真集がありました。やはり展覧会より楽しい。彼の人物写真は気取ったところや飾り気がなく、空気感のようなものがそのまま伝わってきます。映画の場合は時として単調な映像が続き飽きてしまいますが、雑誌の場合にはそんなことはありません。ページをめくる度に発見や驚きがあります。
by manabinomori | 2014-03-19 17:30 | アンディ・ウォーホル | Comments(0)
アンディ・ウォーホル展
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今日は「アンディ・ウォーホル展」を鑑賞しました。政治、経済、文化など、社会そのものにまで深く関わろうとする姿勢はこれまでのアーティストにはない側面でしたが、不思議なことに、ウォーホルの作品は雑誌などで観る方がカリスマ性があるように感じました。そこが他の作家との違いかも知れません。ある意味では、作品のイメージをマスコミをとおして浸透させることが彼の表現手段になっていたのではないかと思いました。そこがポップアートらしいところでもあります。絵画や映画は期待したほどのものではありませんでしたが、黒の線を使いクロッキーのように描かれた人物画が妙に魅力的でした。正直なことを言えば、森美術館で同時に開催されていた「ラファエル前派展」の方が存在感がありました。ウォーホルの場合は会場そのものが作品とも言えるだけに、もっと斬新な展示(十分斬新ではありますが)を試みてもおもしろかったと思います。もし彼が生きていたならどのような展示をしたのか興味深く感じました。
by manabinomori | 2014-03-14 23:27 | アンディ・ウォーホル | Comments(0)
FLESH
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「アンディ・ウォーホル展」を観る前に、もし彼の映画を観ることができればと思い「ゲオ」に行くと、『FLESH』という映画があったので借りてきた。しかし普通の人に薦められる内容ではない。メイル・ハスラー(男性娼婦)の1日を描いたとりとめのない物語で、冒頭から全裸で眠る男の映像が続く。そこからは60年代の退廃的なカルチャーを感じることができる。そもそもこの『FLESH』は製作直前にウォーホルが狙撃され、彼の意志を引き継いだポール・モリセイが撮影した映画だ。最近話題になっている日本のベートーヴェンのごとく、ウォーホルはモリセイに監督も脚本もまかせてしまっている。なのにアンディ・ウォーホルの作品として定着しているところが日本のベートーヴェンとは違うところだ。そこにウォーホルのエッセンスがつまっているからなのだろう。私にはドキュメンタリー風のポルノ映画にしか見えない。もっと美しい映像が欲しかった。
by manabinomori | 2014-03-10 00:18 | アンディ・ウォーホル | Comments(0)
ステータス
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研究室の棚には、ジョン・レノンの『メンローヴ・アヴェニュー』を飾っている。これはジョン・レノンの死後に発表された未発表音源を集めたアルバムだ。そのジャケットはアンディ・ウォーホルの手によるものである。実際の写真と並べてみるとこうなる。作品の傾向は、シルクスクリーンを使った有名な『マリリン・モンロー』と似ているが、1980年代頃の作品は線を巧妙に使っている。当時は、ウォーホルによって作品化されることがステータスにもなっていて、多くの有名人がそれを希望した。
by manabinomori | 2014-02-25 12:46 | アンディ・ウォーホル | Comments(0)
猫の仮面を借りた自画像
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アンディ・ウォーホルが描いた猫はどこかぎこちない。デッサンがおかしいとかそういうことではなく、どこか猫らしくないのだ。私には猫の仮面を借りた自画像のように思えてならない。ちなみにこの作品は1954年に描かれ、『サムという名の猫たちと1匹の青い子猫ちゃん』というタイトルがつけられている。
by manabinomori | 2014-02-25 12:19 | アンディ・ウォーホル | Comments(0)
チェルシー・ガールズ
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アンディ・ウォーホルは1960年代から70年代にかけて多くの映画を撮っている。現在、森美術館で開催されている『アンディ・ウォーホル展』ではそれらの映画が上映されている。『チェルシー・ガールズ』は1966年の作品で、チェルシー・ホテルの個室やトイレでのシーンをつなぎあわせたものだ。トリップ状態で騒ぎを繰り返すだけの映像で、そんな内容であるからホテル側が上映に反対して告訴したという逸話まで残されている。あまりにも過激なので、今回は上映されていないかも知れません。
by manabinomori | 2014-02-25 12:17 | アンディ・ウォーホル | Comments(0)