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グッドデザイン賞2016
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日本デザインの底上げのためにはじまったグッドデザイン賞も60年目を迎えました。現在では、アジア地域のデザインも含めた国際的なデザイン賞として定着しつつあります。東京ミッドタウンの6つの会場を舞台に展示された受賞作1,200件の中から何点かを紹介させていただきます。
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今回も「プロダクト」「建築」「取り組み」などの幅広い分野から、「私たちの暮らしや社会はこうあってほしい」「私たちはこのように生きたい」という想いが反映されたデザインで埋められていました。審査委員長の永井一史さんが、デザインが社会に深く浸透することで、社会の課題や人々のニーズを見通す解像度も高まっています。「何かを変えること、新しいものを生み出すこと」がデザインのおもな役割だった時代から、「人々が求めるものを丁寧なまなざしで見出し、日常の暮らしを豊かにすること」へと、デザインに対する期待は変化していますと述べられていますが、まさにそのことが反映された展覧会でした。
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2016年度のグッドデザイン大賞(GOOD DESIGN GRAND AWARD)は、慶応義塾大学 政策・メディア研究科 鳴川研究室+オーサグラフ株式会社による『世界地図図法 [オーサグラフ世界地図]』に与えられました。その概要には「大きさや形の歪みをおさえた正確な地球の全体像を示す四角い世界地図です。この地図を眺めればグリーンランドはオーストラリアよりずっと小さいこと,成田空港からブラジルにオリンピックを見に行くときにヒューストンを経由する飛行ルートは理にかなっていること,南極はインド洋,大西洋,太平洋全てに面している唯一の大陸であることなどを理解することができます。同時に球面世界という行き止まりがない世界観,G20という言葉に表されるような多中心な世界観を描くことができる特徴を持っています。人類世に突入した複雑な世界の全体像を正確に把握するためにこれまでより正確な世界の描きかた,世界地図をデザインしました。」とあります。これまでの私たちの概念を一変させる画期的なデザインですね。
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金賞にはソニーのハイレゾ対応ステレオヘッドホン MDR-Z1Rが選ばれました。これは札幌のヨドバシカメラにも展示されていてその音を聴くことができますが、その圧倒的な空間の広がりと解像度には身震いさせられました。何よりその美しさとフィット感が素晴らしい。隣に展示されているレコードプレイヤーもシンプルで美しい。同じく金賞を受賞したローランドのキーボード楽器 Seaboard RISE は、個人的には大賞にして欲しかった製品です。日本人の英知がつまったこの革新的なキーボードは世界の音楽の発展に貢献することは間違いありません。
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日本のプロダクトデザインのレベルは欧米に負けないレベルに達していると感じさせられます。
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パネル展示では関係者の方が写真を撮られている姿が見られて微笑ましい。
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グッドデザイン特別賞「ものづくり」を受賞したトリニティ株式会社のSIMフリースマートフォン NuAns NEO(ニュアンス・ネオ)で、手に馴染み、生活に寄り添う、ゼロから考え直した新しいデザインをコンセプトにしています。
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金賞の株式会社LIXILの便器「アクアセラミック」は、「清掃性」の解決に向け、全く新しい衛生陶器の表面素材と陶器表面を超親水性にすることで、付着した汚れの下へ水が入り込み、汚れを浮き上がらせ、普段の洗浄する水の力だけで100年キレイが続くとのことです!
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暮らしの質を高めるデザインが多いのも特徴です。
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アニメーションが使われた展示が楽しい。
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車椅子や音知覚装置などのユニバーサルデザインから「障害のある人とつくる新しい働き方」を提言するデザインまで受賞されているのは素晴らしいことです。
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建築分野では、小田急電鉄株式会社賃貸共同住宅「ホシノタニ団地」が金賞を受賞しています。座間駅前に所在する昭和40年代築の小田急電鉄の社宅を一般賃貸住宅と市営住宅ほか公益に資する複合施設として再生し、4棟の建物のうち2棟を一般賃貸住宅、他の2棟を座間市に対して市営住宅としました。その1階部分には市営の子育て支援施設と民間企業の運営によるカフェを誘致し、敷地全体は街の人々のために地域に開放され、その中に貸し菜園、ドッグラン等が設けられているとのこです。人と人、人とまちがつながることが評価されました。
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以上、ざっとですが今年のグッドデザイン賞を紹介しました。他のグラフィック関係の賞で受賞していた「死ぬときぐらい 好きにさせてよ」がここにもありました。ところで、私が新宿で開催した個展のメイン作品が、これと同様のミレーの『オフェーリア』のオマージュでした。
by manabinomori | 2016-11-13 11:05 | GOOG DESIGN | Comments(0)
お風呂でネットラジオを聴く
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自宅でも研究室でもBluetoothスピーカーが大活躍です。これだけBluetoothスピーカーが普及するとお風呂でも使いたくなりますが、その場合は防水でコンパクトなものが求められます。そんな中で大人気なのがソニーのSRS-X1です。価格ドットコムの満足度は4.7とありましたので、即行で買ってしまいました。スピーカーとは思えないデザインがお洒落なのです。音質はSRS-HG1などには遠く及びませんが、そこそこ楽しめます。これが2台あるとステレオペアリング機能によりステレオ再生だって可能なのです。試してみたいですね。シャワーの水がかかっても大丈夫というだけあって、お風呂でのラフな使用にも耐えています。すでに1ヶ月ぐらい使用していますが、バッテリーの持ちも十分です。売れている理由がうなずけます。これが来てからというもの、お風呂でネットラジオを聴くのが日常になってしまいました。そこで聴くショパンやビートルズは格別です。
by manabinomori | 2016-07-24 20:55 | GOOG DESIGN | Comments(0)
GOOD DESIGN 2015 第2回「Beats solo2 wireless」
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石塚耕一が勝手に選ぶ「GOOD DESIGN 2015」の第2回は、アメリカのビーツ・エレクトロニクス(Beats Electronics)が2015年に発表したワイヤレス・ヘッドホン solo2 wireless です。Beats と言えば、レディー・ガガとコラボした「heartbeats」(2009)で注目を集めるなど、ファッションやデザインを意識した製品を売りの一つにしていました。Beats のロゴマークはシンプルで原色を強調した美しいデザインで、そのままヘッドホンのアイコンになっているほどです。このようなデザインは Apple と共通するところもあり、その Apple は2014年に Beats を買収してしまいました。その時、「なるほど」と思ったとのは私だけではないはずです。デザインは大きな価値を持つことを Apple は知っていたからです。Beats デザインの凄さを感じたのは、2012年に発売されたヘッドホン「Mixr」のデザインに触れたときでした。グラミー賞を受賞したデヴィッド・ゲッタとの共同開発によるそのヘッドホンは、これまでにない魅力がありました。コンパクト、回転式のイヤーカップ、そしてミニヘッドホンジャックのデュアル入出力はもちろんですが、黒のデザインから浮き出る“b”の赤いロゴとコードがたまらなく美しく感じたのです。Beats Design はこの頃から急速に市場へ浸透して行きます。バッテリーの不具合で評判を落としたものの、ワイヤレススピーカー「Pill」のデザインも画期的でした。これは今日、最も美しいプロダクトデザインの一つであると思います。
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さて、GOOD DESIGN 2015 に solo2 wireless を選んだ理由は三つあります。先ずその洗練されたデザインです。今では Beats ヘッドホンが登場した時のような斬新さはなくなってしまいましたが、それでもその洗練されたデザインの美しさは、豊富な色彩バリエーションとともに、若者にとって魅力的な存在になっています。特にイヤーパッドからハウジングへとつながるデザインが素晴らしく、「ヘッドフォンの流れるようなカーブ、見えないところに配置したねじ、回転式のイヤーカップが自然なフィット感を実現。人間工学に基づく設計により、最高水準の快適さとサウンドの再現を可能にしています。」とメーカーが言うのもうなずけます。感心するのはその美しさが付属ケーブルのデザインにまで徹底されていることです。二つ目は、ワイヤレスヘッドホンとしての魅力です。バッテリーが内蔵されているようには思えないほど軽量コンパクトなデザインは、まさにワイヤレスヘッドホン時代の到来を象徴しているかのように思えます。折りたたみ機能や丈夫な作りも魅力的です。実はこの部分がとても大切だったりするのです。つまり、私たちが旅行や外出先でヘッドホンに求めるものを満たしてくれるデザインと機能がそこにはあるのです。もしバッテリーが切れてもプラグを差し込めば使えるという安心感もありがたいことです。最後は、Beats らしい音質です。BOSE とも違う、ソニーやオーディオテクニカとも違う、ゼンハイザーや AKG とも違う音がそこにはあります。低音が元気で、解像感よりも空気感を尊重したそのサウンドは、まさに今日の音楽に相応しい音作りがなされています。室内や外出先で気軽に音楽を楽しむのには最適なヘッドホンと言えるでしょう。服を着るようにヘッドホンを楽しむ、それが solo2 wireless の魅力です。画像は Beats のホームページより使わせていただきました。
by manabinomori | 2016-01-03 20:03 | GOOG DESIGN | Comments(0)
GOOD DESIGN 2015 第1回「TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD」
石塚耕一が勝手に選定する「GOOD DESIGN 2015」をスタートさせます。これは、①デザインが美しい。②製品としての魅力がある。③オリジナリティがある。という三つの視点から独断で選ばせていただくものです。第1回は今年発表されたカメラ及びレンズの中で最も印象に残った「TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD」を取り上げさせていただきました。
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タムロンと言えば、私にとっては“ズームレンズ”のイメージがあります。フィルムカメラの時代にはボロボロになるまで使わせてもらったことは忘れられない思い出です。また、ソニーのビデオカメラにレンズを供給していたこともあり、ビデオカメラのレンズ=タムロンというイメージがありました。いまでもタムロンはニコンやソニーへレンズを供給しています。さらに、これは私の勝手な思いですが、タムロンのズームレンズはレンズ性能を優先さるために、無理な仕様にはしないというイメージがありました。そのタムロンが、単焦点レンズに本格的にチャレンジしたのがこの新「 SP」シリーズです。ライバルのシグマがキャノン、ニコン、ソニーマウントの大口径単焦点レンズ(Artライン)で成功したのも刺激になったのかも知れません。さて、そのタムロンがこだわったのはデザインと性能です。その美しさには惚れ惚れするぐらいで、レンズ筐体には「DESIGNED IN JAPAN」とまでプリントされています。こんなレンズ初はめてのことではないかと思います。ルミナスゴールドのブランドリングはそのシンボルになっていてこれがまた美しい。新「 SP」シリーズの象徴でもあります。デザインの基本は「ヒューマンタッチ」で、使う人が気持ちよく、そして誇りを持てるようなデザインになっています。金属ボディでありながら、柔らかく、触れてみたくなるような質感になっています。その造形美はレンズにしておくのがもったいないと感じるほどです。デザインに関わったのが“takram design engineering”です。彼らのホームページには、「デザインとエンジニアリングの両分野に精通するデザインエンジニアを中核に、その周辺に建築家・グラフィックデザイナー・サービスデザイナーといった多様なプロフェッショナルが集うクリエイティブ・イノベーション・ファームです。現在、東京とロンドンをベースに、40名ほどのメンバーがさまざまなプロジェクトに取り組んでいます」とあります。このチーム(代表は田川欣哉氏)とタムロンがこれを生み出したのです。
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新「SP」シリーズには、35mmと45mmがありますが、私が選んだのは35mmの方です。その魅力は3点あります。先ず最短撮影距離が20mmということで、このクラスでは最高の数値です。被写体に近寄れるというのは撮影の幅を広げ、これまでにない表現が可能になります。ここにタムロンのこだわりを感じます。次にその解像力とボケの美しさで、サンプル写真にはハッとさせられました。店頭ではそこまでチッェクできないのですが、開放F値をF/1.8に設定したあたりにも画質へのこだわりを感じます。「今後はSPの称号を高性能レンズとして確たるものにしたい」「開放から使える高い描写性能にしたい」というタムロンの意欲が伝わります。最後はレンズの大きさや手ブレ補正機構を含めたトータルバランスの良さです。「こんなレンズが欲しい」という私たちの夢を見事に実現させているのです。
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というわけで、レンズデザインに革命をもたらした TAMRON SP 35mm F/1.8 Di VC USD を GOOD DESIGN 2015 に選定させていただきました。描写性能、フォーカスの正確さ、静音性、手ブレ補正効果を高めた「美しいレンズ」に、みなさん方も触れていただければ幸いです。最後になりますが、掲載の画像はタムロンのホームページからのもので承諾をいただいています。
by manabinomori | 2015-12-16 21:50 | GOOG DESIGN | Comments(0)