カテゴリ:明輝高 学校経営( 45 )
学校経営に求められる創造力と実践力
b0108779_19462713.jpg

「教育振興」(第434号)に掲載された私の学校経営論をお届けして、この仕事の最後にさせていただきます。

「学校経営に求められる創造力と実践力」
 北海道釧路明輝高等学校長 石塚耕一

一 はじめに
 釧路明輝高校は、釧路北高校、釧路西高校、釧路星園高校の統廃合により、平成19年度に誕生しました。道東唯一の都市型総合学科として開校時は注目を集めていましたが、最近ではその魅力も薄れつつあります。設置した系列や教育課程についても課題が指摘されるようになり、これまでの成果を踏まえながら見直す時期に来ていました。
二 学校経営方針
 本校のよさは、全国でも唯一の、アイヌに関する科目「アイヌ学」、地域を学ぶ「釧路学」、あるいは国際理解系列を持つ総合学科ならではの「ドイツ語と文化」や「フランス語と文化」など、多様な科目を学ぶことができることです。また、福祉・生活系列においては、地域の関係機関と連携しながら活動し、様々な成果を上げています。生徒は明るく素直で、生徒会活動や部活動は活気に満ちています。
 このような状況の中で、私が示した学校経営方針は「新しい時代をつくる教育の創造~夢と感動が生まれる学校~」です。
 この経営方針の実現のために、「釧路明輝高校が育てる5つの力」として、①創造力、②表現力、③読解力、④問題解決能力、⑤コミュニケーション能力の育成を掲げました。総合学科の教育システムの中でこれらの力を育成することにより、「学力の向上」「豊かな心の育成」「進路の実現」を図ろうと考えたのです。
三 教育の深化
 私たち教育者は、どうしても「井の中の蛙」になってしまう傾向があり、学校という閉じた空間の中で物事を考えがちです。本校の教育を深化させるためには、意識改革とアイディアが必要でした。そこで、東京都内にある総合学科高校を視察するなど、本校が実施している教育内容の検証と、先進校の教育を学ぶ機会をつくりました。そして、その成果を校内研修会の中で明示しながら、課題解決の方策について教育課程委員会等で協議していきました。この作業に取り組むことによって、本校の未来像が見えてきたのです。
 新教育課程を編成するにあたって、前提としたのが系列の見直しでした。これまでの系列のうち、「地域経済振興系列」を「グローバルビジネス系列」へ、「情報メディア系列」を「メディア・アート系列」へ、「健康・福祉系列」を「福祉・生活系列」へと進化させ、中学生や地域住民が理解しやすく、魅力を感じる内容に変更するとともに、学校設定科目も大幅に見直し、民間人講師から本校職員へというシフトも図りました。重要なことは、生徒が自由に選ぶ科目選択制を、系列を生かした系統的な学習へと転換を図ったことです。これは質の高い教育を実現するためであり、全国で問題になっている総合学科の曖昧さの反省でもありました。
四 ドイツへの生徒派遣
 学校には「オンリーワン」としての魅力が必要です。生徒が自校に誇りを持てることは、自分自身への自信や学習意欲にもつながります。そのための方策として、ドイツへの生徒派遣を企画しました。本校では「ドイツ語と文化」を学習していますし、ライプツィヒには学術的に貴重なアイヌ民俗資料があることから、高校、大学、博物館を訪問することにしました。
 帰国後は、現地で学んだことを全校生徒に報告させる機会を設けるとともに、地域での報告会も開催し、本校の取組が釧路地域の実践となるように心がけました。ドイツへの生徒派遣は、国際社会に貢献できる人材の育成という視点からも大きな意味があります。また、職員がドイツの教育から学んだことは本校の教育にも生かせるはずです。
五 地域の文化を創造する
 「高校生が釧路を元気にする」というテーマで、釧路芸術館との共催によるイベント「Meiki Art Wave」を開催しました。これまでのような文化発表会ではなく、より今日的な視点から、映像、映画、演劇、ダンス、演奏、歌などの芸術性の高い発表を行い、釧路の文化を活性化させようとしたのです。
 参加者は、生徒、職員、そして琴奏者である民間人講師、ジャズピアニストである卒業生にまで及び、アートホールは満席となり、生徒のもつ個性や才能が遺憾なく発揮されました。
 高校が文化面で地域に貢献することは容易いことではありません。しかし、地域住民は高校生の活躍をとても喜んでくれました。新教育課程には「表現と創作」という科目を設置しました。数年後には、この科目が大きな役割を担っていくことでしょう。
六 おわりに
 校長として7年目を終えようとしていますが、学校経営ほど難しいものはありません。学校というところは、新しいことについては極めて消極的なところです。だからこそ、学校には創造力と実践力が求められます。それこそが学校経営の根幹なのかも知れません。
by manabinomori | 2013-03-30 19:50 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)
名刺
b0108779_21562843.jpg
私の名刺は横書きです。しかも表は日本語で裏は英語です。7年前に校長になってから一貫してこのスタイルをとっています。なぜそうしているのかといいますと、教頭時代に外国の教育関係者とのレセプションが行われました。札幌領事館のトップをはじめとするそれなりの方も出席されました。その受付で胸につけるネームプレートを渡され、「中に名刺を入れて下さい!」と言われたのです。「え、私の名刺は縦書きで、しかも日本語です‥。」という苦しい経験があったからです。国際化が進むこの時代において、外国の方がこられた時も、外国を訪問したときにも使える名刺を持っていなければならないと思ったのです。これがあれば困ることは絶対にありません。もちろん本校に新しいALT(外国語指導助手)が着任した時にもこれを渡します。ドイツでは必要があって高校生にも渡しましたが、彼女達は名刺に記載されたメールアドレスの「love@・・・・」の「love」にとても反応していました。これも意図的にそうしているのです。
by manabinomori | 2013-03-21 21:56 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)
学校経営評価
b0108779_21371788.jpg
今年度最後の定例職員会議、そして学校評議員会で、4月に配布した学校経営方針と1年間を総括した学校経営評価(成果と課題)を配布させていただきました。学校評議員の皆様からは多くの貴重なご意見をいただきました。ありがとうございます。新年度に生かさせていただきます。
by manabinomori | 2013-03-21 21:38 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)
感謝
b0108779_2072835.jpg
b0108779_2073129.jpg
写真は校長室とそこにつながる廊下です。この時期は年度末で様々な業務が入ってきます。今年度の成果と課題を整理して次年度につなげる大切な時期になりますが、入試や人事といった細心の注意を払わなければならない業務もあって緊張が続きます。ベッドに入っても気になって眠れないことがあります。そんな時に心を癒してくれるのが生徒の笑顔です。学校の主人公が生徒であることを思い起こさせてくれます。何より、彼らと一緒にいられることを幸せに思います。
by manabinomori | 2013-02-26 20:08 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)
雑感
b0108779_21101659.jpg
高校入試のシーズンになりました。高校においては、ミスが絶対に許されない緊張感のある時期になります。同時に1年間の締めくくりの季節でもあります。今年度の明輝高校は、ドイツ派遣という大きな行事が入りましたが、全体的には着実に前進することができたのではないかなと思っています。大きな事故もなく、生徒の活躍が様々な場面で見受けられました。学校の主人公は生徒であり、一人ひとりの生徒が、それぞれの良さを出し活躍してくれることを願ってきました。「夢と感動を創造する学校づくり」は校長としての経営方針ですが、そのことを生徒も理解してくれていたのはありがたいことでした。写真は9月の明輝高校です。
by manabinomori | 2013-02-11 21:11 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)
日本の教育についての講義
b0108779_18355622.png
b0108779_1881911.jpg
b0108779_1882349.jpg
それぞれの国の教育局長、部長、教育課長、教育行政官、視学官といった、国を代表して来られている皆様に、5時間も講演するというのは簡単なことではありません。したがいまして、大学の講義のように、プレゼンを駆使したり、グループ討議を取り入れながら展開させていただきました。最後に「教育の仕事とは、子どもを育てること、つまりそれぞれの国の未来をつくることです。」とお話しさせていただくと、全員がうなずかれたのが印象的でした。質問も沢山あり、熱心に研修されている姿が印象に残りました。私も勉強になりました。ありがとうございます。
by manabinomori | 2013-02-04 18:09 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)
教育視察団
b0108779_18361610.jpg
日本の教育を視察に来られている外国の皆様に、私は講師として説明しなければなりません。日本の教育の特徴について分かりやすく説明できるプレゼンテーション資料を作成中ですが、これがなかなか難しい。日本の教育は「学力の育成」と「豊かな心の育成」という二つの側面があります。欧米では、後者は家庭教育の範疇ということになります。他にも教員がクラスに出向いて指導していること。HRがあること。行事や式典があること。修学旅行があることなどなど、部活動も含めてその特徴について説明しようと思っています。参考になるとありがたいのですが。
by manabinomori | 2013-01-31 18:49 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)
メッセージ
b0108779_19595867.jpg
いま旭川のホテルにいます。総合学科の研究協議等があるからです。明後日は全道学習成果発表会もあります。さて、今朝、3年次生が書いたメッセージをいただきました。これが涙が出そうになるほど嬉しい内容でした。ここで紹介すると自慢話になってしまいますので割愛しますが、校長をしていてよかったと心から思いました。ありがとうございます。明輝高校は素敵な生徒ばかりです。
by manabinomori | 2013-01-30 20:02 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)
信頼関係
b0108779_2341768.jpg
「1年生の写真をもっと載せて下さい!」という声はよく聞きます。確かに上級学年と比較すると圧倒的に1年次生の写真は少ないです。それは、①高校生活の主役は3年次生であること、②3年次生は活躍の機会が多いことからくるものです。しかし、もっとも根源的な理由は、入学したばかりの1年次生と私との間には信頼関係が確立されていないということにあります。写真の掲載については、様々な面に配慮しながら行っていますが、そこに求められるのが信頼関係なのです。3年次生ともなると「学びの森」の目標が、保護者や地域の皆様に学校を理解していただき、生徒の活躍をアピールする場であることを理解していますが、入学したばかりの生徒がそのことを理解するのは難しいのです。何より3年次生とは信頼関係もそこそこできているからなのです。先の全校集会で、教育の効果を高めるためには、生徒と教員の信頼関係を深めることが大切です。そのことを意識して下さいと話ました。学力の向上を効果的に行うために必要なの「授業力」と言われますが、その前提として必要なのが生徒と教員の「信頼関係」なのです。その信頼関係が深ければ深いほど、学力の向上と豊かな心の育成が効果的に行われるのです。教育は人なりという所以がそこにあります。
by manabinomori | 2013-01-02 23:05 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)
本年もよろしくお願い申し上げます
b0108779_7575538.jpg
新年がスタートしました。皆様が、幸せいっぱいの一年になることをお祈り申し上げます。釧路明輝高校は今年で7年目になります。道東唯一の都市型総合学科として、特色ある教育を展開し、今年は全国総合学科教育研究大会の主幹校としての活躍も期待されています。学校経営方針として「新しい時代をつくる教育の創造」を掲げてきましたが、本校の素晴らしさを全国に発信するまたとない機会になることでしょう。本校の生徒は素直で、明るく、職員は研究熱心で、意欲的です。まだいたらない部分はありますが、今年もさらなる発展を目指します。「夢と文化を創造する学校」として、学力と豊かな心を育成しながら、進路を実現させ、地域に愛される学校にしたいと願っています。本年もよろしくお願い申し上げます。
by manabinomori | 2013-01-01 08:16 | 明輝高 学校経営 | Comments(0)