カテゴリ:解説 アーティスト全般( 21 )
表紙だけで買う価値がある
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最近のイラストレーションで特に気に入ってるのは、光村図書「飛ぶ教室」39号の表紙に採用された松田奈那子さんの作品です。いまや奈那子さんは、絵本作家として活躍されていますが、ここにはそれらの作品とはまた違う魅力があります。ここからは、奈那子さんが札幌で活躍されていた時代から一貫して連なる感性のようなものを感じます。絵本はある意味で原作者とのコラボレーションであり、原作を担当しない限りは、そこになんらかの制約があるものです。それは良くもあり悪くもあります。しかし、このような表紙の仕事になると、自分らしさを前面に押し出すことが出来ます。その自由さがこの作品をより魅力的にしているように思います。制作の過程で生まれるテクスチャーと色彩の変化に魅了されるとともに、一本の線や面から生まれる形や色彩のハーモニーが美しい。それでいて、ここにいる女の子が笑顔というわけではありません。そこが奈那子さんらしいところであり、この作品を特別なものにしているのです。表紙だけでも買う価値のある雑誌です。
by manabinomori | 2015-03-20 11:09 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)
アンソニー・グリーン
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アンソニー・グリーンは、ポップ・マニエリスムの画家である。確かにそのデフォルメされた人物と空間は一種の楽園のようである。室内空間にこだわり、ここまで自分をさらけだしてしまう画家はそう多くはいない。彼にとっての楽園とは愛であり、それは家族そのものではないかと思われる。興味深いのは、歪んだ室内空間のおもしろさと、変形キャンバスの存在である。このことによって、その空間がより広く感じられ、独特の世界観を定着させている。彼の作品は自分を語る物語のようであり、そこから会話が聞こえてくる。過去と未来までをも推察させる彼の絵画に古さは感じられない。
by manabinomori | 2015-02-12 15:56 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)
人のつくったものより自然の方が勝っている
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イギリスの美術家ラッセル・ミルズは、「日本の近代建築や伝統工芸にミニマルアートとの類似を感じる」と述べている。彼の作品スタイルは、層を重ねていくこと、つまりレイヤーリングであり、それは物理的なことだけではなく、内面的にも意味を重ねていくことを意味している。写真下の作品には、『Little Forevers』というタイトルがつけられ、風景と人間界の出来事の両方において、大きな社会的概念を象徴するような繊細で目立たない事象に対する興味と関心を表している。ミクストメディアはキャンバスよりもはるかに開放的だ。ミルズの言う「人のつくったものより自然の方が勝っている。自然のプロセスから学びとろうと思っています。」という考えに共感してしまう。
(参考文献 :「デザインの現場」1992年2月号)
by manabinomori | 2014-02-06 12:08 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)
彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも
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私が20歳から25歳頃まで傾倒したのがマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)でした。彼はピカソと並び、20世紀の美術に最も影響を与えたアーティストの一人と言われ、現代美術に関心を持っていた私にとっては避けて通れない存在でした。特にこの『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』は、その意味ありげなタイトルと、ガラスに巧妙に描かれた「花嫁」と「独身者たち」によって私の好奇心を刺激しました。それらのパーツはデュシャンがそれまで描いたてきたものの集大成とも呼べるものであり、よく計算されています。特に下部の「独身者たち」は、騎兵、憲兵、召使い、デパートの支配人、ドアマン、僧侶、墓堀り人、駅長、警官と名付けられ、チョコレート粉砕器の回転へとつながっています。ここでは男性の動的なイメージが作られますが、それが「花嫁」と交わることはありません。「花嫁」は不安定なまま浮遊しているだけです。美術評論家に謎解きさせるかのようにチェスを楽しむデュシャンがやけに格好良く思えたものでした。
by manabinomori | 2014-01-03 08:16 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)
キース・ヘリング
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キース・ヘリング展を観に行ったときに購入したものです。ロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリー、写真家のロバート・メイプルソープ同様に、キース・ヘリングは31歳の若さでHIV(エイズ)で亡くなりました。もし生きていれば12月21日に55歳の誕生日を迎えていたことになります。なんとも残念なことです。でも、彼の作品は永遠に輝き続けることでしょう。
by manabinomori | 2013-12-15 16:44 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)
エゴン・シーレ
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私はエゴン・シーレ(Egon Schiele)の描く線が好きだ。人間の形態を極限までデフォルメしながらも緊張感を保ち続けている。こんな画家が他にいただろうか。この作品は、鉛筆、テンペラ、水彩をもちいて1912年に描かれている。彼はどこまでそれを意識して描いたのであろうか。それとも無意識のままに描いたのであろうか。どちらにせよ、シーレの絵にはドラマがあり、人間の本質に迫るものがある。
by manabinomori | 2013-12-06 16:15 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)
ガエターノ・ペッシェ
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BRUTUS 1989年4月15日号で「デザインの現在と未来。」という特集をしていた。古い雑誌なので捨てようかと思ってページをめくると、「万国の放浪者、デザイン界の一匹狼。」としてガエターノ・ペッシェ(Gaetano Pesce)が紹介され、「美的観点よりも、政治的、あるいは現実社会的な観点に重きを置くと公言するアーティストやデザイナーはそうはいない。思考それ自体が美しければ、生まれてくるものは、当然美しいのである。」とある。興味深いのは「今日の製品というものは、ひとつの名前の下には、すべて同質でなければいけない。そのための人間がベルトコンベアの脇に立って、異質部分を持った製品を取り除くという作業を続けている。人々も、均一に作られる製品がいい製品だという認識を持っている。」との指摘です。その傾向は今日に至ってもさらに強まっているように思われる。「私たちは一見皆似ているが、サイズも色も、背負っている伝統も地理的環境も違うわけだ。まったく同じ価値観というもの自体不自然だろう。同じイデオロギー、あるいはアイデンティティーを持つ必然性はどこにもない。」と明確に語っている。1939年、イタリアのスペツィア生まれ。ヴェニス大学を卒業し、建築、家具デザイン、絵画、音楽、パフォーマンス、フィルムと多様な表現活動を続けているようで、ヴェニスと多様な表現活動というあたりになぜか共感してしまうのは、ヴェニスを訪問したからだろうか。
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そのペッシェがデザインしたのが大阪市南船場にある「オーガニックビル」である。植木鉢のような窪みを壁面一杯に配し、「ヴァーティカル・ガーデン」と名づけられている。今度大阪を訪問した際には是非とも鑑賞したい。建物では初のグッド・デザイン賞(1994年)を受賞している。
by manabinomori | 2013-12-03 10:11 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)
フランスからのメッセージ
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このブログで何度か紹介させていただいたギヨム・ボタジさんからメッセージが届きました。活動の様子をうかがえて嬉しくなってしまいます。世界中で展開する意欲的な創作活動には目を見張るばかりです。2011年に、宮の森美術館の壁画を制作していらっしゃる時にお会いする機会があり、「フランスのアトリエに来て下さい!」と言われました。本気で行ってみようかなとも考えています。イタリアのルネサンス絵画に触発され、そこから独創的な抽象画に進化していった理由を知りたいのです。もちろん画家のアトリエほど興味深いものはありません。画像は彼のホームページより。
by manabinomori | 2013-05-30 21:31 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)
刺激的
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壁に貼ってあるのは荒井善則先生の作品です。昨年開催された「水曜の夜どこかで」は、残念ながら鑑賞できませんでしたが、今年からは札幌ですので、必ず鑑賞させていただこうと思っています。墨・版+インスタレーションによる作品は、そのコンセプトはもちろんですが、造形的にも色彩的にも刺激的です。
by manabinomori | 2013-04-16 07:18 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)
A-Ha - Take On Me


MTVでこのMVを見たときは衝撃でした。アーハの「テイク・オン・ミー」は1984年の作品です。もちろんコンピュータなんて夢の時代でした。ノルウェーやスウェーデンの音楽はメロディアスでいいのです。
by manabinomori | 2012-09-22 16:43 | 解説 アーティスト全般 | Comments(0)