道展U21②“おと高関係作品”
今回も優れた作品ばかりです。順不同で紹介させていただいています。今回は前回紹介できなかった「おといねっぷ美術工芸高校とOB」の作品が中心になります。
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柄目 晃宏 「木甲虫」 (おといねっぷ美術工芸高校)
前回とはまた違うメカニックな作品になっています。近くで見るとそのアイディアのおもしろさと、丁寧な仕上げに感動してしまいます。足の部分が造形的な美しさを出していますし、歯車との対比も効果的です。UHB賞。
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後藤 快太 「風の詩」 (おといねっぷ美術工芸高校)
写真では見えませんが、作品内部の空間も生かされています。造形的に芸術性の高い作品で、何より表面の仕上げが素晴らしい。膨大な時間をかけたことがわかります。優秀賞。
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佐々木 睦 「煩悩私図(悪戯)」 (札幌大谷大学短期大学部)
裸婦は難しい。なぜならそこにデッサン力が求められるからです。それがなければ優れた作品にはなり得ないのです。その裸婦を描きながら、さらに一歩先へと進化させています。さすがです。優秀賞。
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杉本 大幸 「スマイルティチヤー」 (北翔大学)
表情がいいですね。この先生の純粋な笑顔が心を癒してくれます。指、顔、服などにみられる意図的な描写や色彩は美術の楽しさを伝えます。そして記号化された形は言葉のように画面から飛び出してきます。
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髙慶 瑞樹 「strange world」 (おといねっぷ美術工芸高校)
遊び心に満ちた創造力のある作品です。それぞれの表情が素晴らしく、色彩の良さもあって時間を忘れさせてくれます。このシリーズが大作に発展するとおもしろいですね。本展でもっとも楽しめた作品の一つです。
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渡辺 瑞生 「夢」 (おといねっぷ美術工芸高校)
興味深い作品です。柱の曲線もおもしろいのですが、照明部分が柱の一部であるかのようにつながっていて、その色もまたいいのです。完成度が高く、造形的に魅力的に仕上げられています。奨励賞。
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酒井 由葵絵 「悲哀・悲愁・悲傷の果て」(北翔大学短期大学部)
卒業してから初めて見る作品です。それだけに感傷的になってしまいました。これまで磨いたエッセンスを大胆に展開させています。力強くありながらも、リリカルな作品になっています。
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山川 英輝 「時の奇跡」 (おといねっぷ美術工芸高校)
この作品に賞が与えられなかったのは残念です。この優れたテーマと描写力は本展において大きな意味を持っています。暗示的な大地と、今にも動き出しそうな昆虫?には強い存在感があります。
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工藤 さや 「Dream」 (おといねっぷ美術工芸高校)
幻想的な作品です。空や舗装の描写に変化を持たせながら鑑賞者の内面を揺さぶります。そして街灯が突然光きだすのです。画面の中で時間を意識させる不思議な作品です。
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川岸 風太 「弦が無い弦楽器と27号室」 (おといねっぷ美術工芸高校)
手前にあるものをしっかり描き、奥にあるものをラフに描くことで、遠近感を出しています。雑誌、CDラジカセ、ギターのネックなどの描写が魅力的です。チセネシリ寮での生活が思い浮かびます。奨励賞。
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佐藤 淳美 「ある日の午後の、」 (おといねっぷ美術工芸高校)
大胆な構図がおもしろい。色調もまとまっていますし丁寧に描かれています。
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安次嶺 功大 「埋もれ木」 (おといねっぷ美術工芸高校)
この形はなんともユニークです。それだけに努力が伝わります。
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亀田 浩輔 「葉船」 (おといねっぷ美術工芸高校)
このような作品もいいですね。こだわりが次の作品につながります。奨励賞。
by manabinomori | 2010-02-16 23:31 | 展覧会レポート 高校
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