ソングス・フォー・ジャパン
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以前、東日本大震災のチャリティー・アルバム『ソングス・フォー・ジャパン』(Songs for Japan) を購入しました。このアルバムの収益は全額、東日本大震災の義捐金として日本赤十字社に寄付されます。レコード会社、音楽出版社、アーティストの収益は一切ありません。発売1ヶ月後には約4億8000万円の寄付が完了しているとのことです。さて、私がこのアルバムを画期的だと思うのは、最初に企画したユニバーサルに、ソニー、ワーナー、EMIの世界4大レーベルが結集した共同制作になっているということです。もしかすると、音楽史上初めてのことではないかと思います。iTunesで先行ダウンロード販売がスタートしましたが、18か国で1位を記録しました。収録曲はダウンロード盤が38曲、CD盤が37曲となっています。

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このアルバムには1970年代以降の世界の代表曲が収録されています。私の関心は、どの曲が選ばれ、どのように並べられているかということでした。ポール・マッカートニーとビリー・ジョエルが外されたのは残念なことでしたが、素晴らしい内容になっています。ディスク1のトップは、ジョン・レノンの『イマジン』です。ファンの私としては嬉しいことですが、この普遍的な曲で幕を開けるというのは当然のようにも思います。次がU2の『ウォーク・オン』です。泣けますね。サウンドもボーカルも最高です。6曲目のビヨンセの『イレプレイスブ』、8曲目のケイティ・ペリーの『ファイヤーワーク』、9曲目のリアーナの『オンリー・ガール(イン・ザ・ワールド)』も印象に残ります。ボーカルも素晴らしい。12曲目のエミネムの『ラヴ・ザ・ウェイ・ユー・ライ feat.リアーナ』は美しいメロディとラップのコントラストが素晴らしい。そして続くブルース・スプリングスティーンの『ヒューマン・タッチ』が絶妙で、ジョジュ・グローパンの『アウェイク』とつながっていきます。17曲目はピンクの『ソーバー』で、こんなアーティストがいたとは知りませんでした。ラストのシーロー・グリーンの『イッツ・オーケー』も楽しめます。

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ディスク2にも幅広いジャンルが集められています。1曲目はカントリーバンドのレディ・アンテベラムの『ラン・トゥ・ユー』です。2曲目がボン・ジョヴィの『ホワット・ドゥ・ユー・ガット?』で、これは感動的ですらあります。6曲目のシャーデーの『バイ・ユア・サイド』は優しいメッセージソングで、次のマイケル・ブーブレの『ホールド・オン』も名曲です。9曲目はボブ・ディランの『メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ』で、これはアデルによるリメイクです。アルバムのトップをジョン・レノンに明け渡したディランですが、これを加えると2曲収録されているのはさすがというほかありません。11曲目はエルトン・ジョンの『僕の瞳に小さな太陽』ですが、古さを感じさせません。13曲目のクイーンの『手をとりあって』は、日本でシングルカットされた名曲です。16曲目のレオナ・ルイスとシャキーラのボーカルも印象的です。そしてラストを飾るのがノラ・ジョーンズの『サンライズ』です。これは日本へのメッセージでもあります。以上、様々なジャンルから、テーマやメッセージ性に配慮しながら、それでいて名曲が並ぶ構成となっています。これはレーベルを超えた最初で最後のベストアルバムといってもいいかも知れません。この2枚組が2000円で買えてしまうというのはありがたい。そしてそれが義援金になるのです。
by manabinomori | 2011-07-20 21:53 | 音楽
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