初めてのカメラ
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誰もがそうであるように、就職して初めてもらった給料からは親父とお袋へのプレゼントを買いました。そしてその次に買ったのが Canon AE-1という一眼レフカメラでした。どうしてもカメラが欲しかったのです。それはテレビやステレオ、あるいは電話よりも最優先事項だったのです。今も古い資料を捨てる作業を続けていますが、その頃に撮影した写真が大量に出てきました。上の写真はカメラを買ったその日に撮影したものだと思われます。ナルシストらしく、鏡を使ったセルフポートレートです。当時は22歳、笑える写真が沢山ありますがここで紹介できるのはこれぐらいです。オンボロの教員住宅に住み、隣に入った新卒の女の先生のお母さんからは、娘に何かあったら困るので防犯ブザーをつけさせて欲しいと頼まれました。つまり、彼女の家のボタンを押すと私の家のブザーが鳴るようなシステムを設置したのです。さらに近所には同じ学校に一緒に入った女の先生の住宅があり、こちらからも「蜘蛛が出たー!助けて〜」と呼ばれる始末です。私のように高校時代から下宿をしている人間とは違って、初めて一人暮らしをする女性にとっては不安なことが多かったようです。そんな私の目標は大学時代にはできなかった大作を描くことであり、そのモチーフをカメラで撮影しようとしていました。だから真っ先にカメラを購入したのです。当時のフイルムカメラはオート化が進行する黎明期でしたが、フォーカスだけはマニュアルでした。目が悪いこともあり、ピンぼけにはいつも悩まされました。
by manabinomori | 2014-01-03 07:47 | 石塚耕一研究室
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