若い頃は日本的なものを否定して欧米的なものに憧れていました。音楽はピンク・フロイド、美術はジャスパー・ジョーンズ、写真はメイプル・ソープ、映画はデヴィッド・リンチ、文学まで欧米のものを読んでいました。いま考えると不思議なのですが、それはまるで親に反抗する子供のようなものだったのかも知れません。ひたすら新しいものを求め続けていただけなのかも知れません。しかし、この歳になると、「川の上流には何があるんだ?どうしてこんな大河になっているんだ?」と考えるようになったのです。海外に出る機会が多くなるとなおさらです。この意識はますます強まることでしょう。