ダリ展2016 私は君の作品が嫌いだ
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国立新美術館で開催されている「ダリ展」に行って来ました。私にとってのダリとは「絵画に三次元の超現実的な空間を生み出した画家」であり、「偏執狂的批判的方法」を用いた視覚的な天才画家というイメージです。ある意味で、空前絶後のナルシストだったのではないかと感じることがあります。
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ここは日本の美術館なので撮影禁止ですが、復元された「メイ・ウエストの部屋」での撮影は許されました。このようなサービス精神をもっと増やして欲しい。この部屋にはダリらしいマジックが感じられます。
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図録の表紙になっているのは、本展で最も印象に残った作品の一つである。「謎めいた要素のある風景」です。これは1934年の作品で、シュールレアリスム時代を象徴する内容になっています。ダリならではの心象風景で、そこに様々な仕掛けがあるのですが、映画のようなリアリティが存在しています。
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今回は絵画ばかりではなく、ルイス・ブニュエルとの映画「アンダルシアの犬」なども上映されていました。過激な描写は今日でも古さを感じさせません。毒を抜かれたディズニー映画にもダリならではの世界観がありました。個人的にはコペンハーゲン(1935)→ロンドン(1936)→パリ(1938)と開催された「シュルレアリスム国際展」のパリ展でのダリによるインスタレーションが好きでした。彼にかかると全てがモチーフになってしまうのです。
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これはルイス・ブニュエルの肖像画(1924)で、印象派やキュビズムの影響を受けながら、自分の絵画を模索していた時代の作品です。この絵からは当時としては異例な飛び抜けた存在感があります。その理由は、ガラについて描いた絵もそうなのですが、そこにもう1人の自分を見ることができたからではないかと思います。
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「オーケストラの皮を持った3人の若いシュルレアリストの女たち」(1936)は性的な解釈される作品ですが、そのような概念を絵画の中に投影できたというのもダリらしい。
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ダリは写真家フィリップ・ハルスマンとの共同作品を残している。中でもこの「ダリ・アトミクス」はあまりにも有名です。普通の画家がこんなモデルをするだろうか。そう考えるとダリという人物がいかにユニークな人であったのかが分かる。
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「狂えるトリスタン」は私が好きな作品の一つです。ダリによる舞台デザインから生まれた作品であり、ダリらしからぬラフな描写が逆にイメージの拡散を生み出しています。
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というわけで、3時間近くダリを鑑賞しました。おなかがいっぱいになったほどです。ところで、横尾忠則がダリと会ったときに、「君は私が好きかも知れないが、私は君の作品が嫌いだ」と言って、横尾のカタログを投げ捨てたと言います。横尾は驚いたようですが、実はダリの本質はそこにあるのではないかと思いました。
by manabinomori | 2016-11-27 11:30 | 展覧会レポート 東京
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