ジョン・レノンの『イマジン』を聴こう
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2000年に発表された『イマジン~ミレニアム・エディション』は、ジョンのボーカルがよりクリアになった高音質CDです。

 高校生にぜひ聴いてもらいたいアルバムとして、ジョン・レノンの『イマジン』があります。
 このアルバムのトップを飾る曲『イマジン』は、ジョンが死去してからイギリスで1位になり再評価されました。今では英語の教科書にも採用され、20世紀を代表する名曲として、アテネオリンピックの開会式や国連でも歌われました。
 『イマジン』が発表された1970年は、まだアナログ・レコードの時代で、高校生だった私の楽しみは、FMで放送されるビートルズの曲をラジカセに録音して聴くことでした。
 高校時代は下宿していましたので、小遣いがほとんどありません。したがって昼食代を貯めてカセット・テープを買っていました。昼休みは苦痛でしたが、ビートルズを聴けるのであれば空腹ぐらいたいしたことではないと我慢したものです。
 アルバム『イマジン』はカセット・テープがすり切れるぐらい聴きました。その中に心をひきつけてやまない曲がありました。それが『ジェラス・ガイ』です。悲しくも美しいメロディと、せつせつと歌うジョンの声を聴いていると、涙が出そうになります。バックのピアノ、ベース、ストリングス、そしてジョンの口笛も素晴らしく、ここまで心に迫ってくる曲を聴いたことがありませんでした。
 この曲は「嫉妬」をテーマにしています。人間にとって、恋愛ほど素晴らしいものはありません。しかし恋愛ほど不安定なものもありません。恋愛には人を変えてしまうほどの強さがあるのも事実です。その恋愛で必要なもの、いや人間として生きていくために必要なもの、それこそが「素直さ」であるとこの曲は歌っているように思います。
 『オー・マイ・ラヴ』『ハウ?』『オー・ヨーコ』なども名曲です。ジョンは、ビートルズの中期からヒットチャートの上位に入るための曲づくりをやめました。特に解散後は、私小説のように自分をさらけだした曲をつくり続けました。『イマジン』の前に発表した『ジョンの魂』はその極めつけです。
 楽しい曲もいいでしょう。でも高校時代には、ジョン・レノンの『ジェラス・ガイ』ように、心の奥底にまで迫ってくる曲も聴いて欲しいと思います。

<「学びの森」第13号平成18年11月14日>
by manabinomori | 2006-11-14 10:11 | ビートルズ研究
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